パパが育休を取れない職種は?~「育児休業」と「育児休暇」の違い|パパの育児休業は第二子で!~第二子誕生で育休を取ったパパのリアルな育休ライフvol.5
こんにちは!2016年3月、第二子が産まれるのをきっかけに、一年間の育児休業を取得することを決めた32歳の男性中学校教師のよしもとあきふみです。
このコラムでは、私が育休を取った想いや我が家のリアルな育休ライフをお伝えしていきます。
「1年間の育休取得」という自分のチャレンジが、自分の家族、生徒たち、そして我が子のことを何より大切に思う、日本中のママ・パパたちのためになると信じています。
◆バックナンバー◆
vol.1『1年間の育休を取った理由』
vol.2『パパが1年も育休取って、一体何するの?パパの育休は「育自休業」?!』
vol.3『パパが育児休業を取得することのデメリットはあるのか?【前編】』
vol.3『パパが育児休業を取得することのデメリットはあるのか?【後編】』
vol.4『パパからパパへのメッセージ』
家族4人一緒に過ごす夏休み2016
先日、職場の懇親会に参加し近況報告をしました。自分の育休代替として来ている若い講師もとても頑張ってくれているようです。
女性の育休とは違い私たち男性は体調に影響がない分、育休中の急な復帰もあり得るのですが、どうやらこのまま育休を継続できそうです。
いつもなら慌ただしいはずの1学期が、今年は緩やかに、けれども止まることなく流れていきました。
長男は朝から夕方まで幼稚園へ行き、妻は専門学校の非常勤講師として働き、家事をしながら娘と二人きりという3か月でしたが、夏休みがスタートしたので、毎日四人で過ごしています。
教員は夏休みは毎日休んで遊んでいるように思われがちですが、運動部の顧問をしていると実はお盆休みすらありません。
去年までの夏休みは部活動が試合のシーズンということで、夏休みはほぼ毎日家を空けていました。
今年は時間があるので、今流行りのグランピングなど様々なところへ出かけたいと思っています。
さて、このコラムも5回目となりますが、先日、ママからのこんな声をいただきました。
「うちの夫は育休を取るのが100%無理な業界(建築)なのですが、だからと言って諦めるのではなくて、活用しやすい制度になったらいいのに!と思います。産後、せめて、床上げまでの1か月だけでも20時には帰らせてもらえるとか・・・。それだけでもどんだけママは助かることか・・・。」
ママたちの家事育児が大変であるのと同時に、「日本の男性の仕事の大変さ」もうかがい知れるコメントです。
私の友人は、大企業に勤めており社員が数千人いるそうですが、育休を取得した男性はたった10人足らずで、しかも全員1週間未満の短期取得だったといいます。
育児休業と育児休暇、どちらも「育休」ですがその二つは大きく違います
自営業やフリーランスの方が育児のために休む「育児休暇」に対して、「育児休業」は1年以上その職場で働いていた人のうち、自分の子どもが1歳になるまでに労働契約期間満了とならず、復帰して仕事を継続する意思がある人なら男女問わず取得できる休業制度です。
こちらは法律によって定められている労働者の権利であるため、本来であれば職場の規定に関係なく申請が可能です。
もし職場に断られた場合は、職場が法律違反となります。にもかかわらず、なぜ1か月の育休取得者すらいないのか。
保育所の待機児童問題ばかりがマスコミで取り上げられていますが、実際にはこちらのほうが問題の根が深いように思えます。
そこで、今回は「育児休業を取りたくても取れない仕事」をテーマに挙げたいと思います。
育児休業が取れない?男性の職種
①スポーツ選手(契約内容による)
選手寿命が短く、契約期間があらかじめ決まっているスポーツ選手には、育休を取ることは難しいかもしれません。
しかし近年は、出産休暇などを取得する選手も増えています。欧米のスポーツ選手は、家族の出産休暇はもちろんのこと、恋人と別れたときなどにも休暇を取ることが出来るようです。
また、どの競技にもオフシーズンがあり、比較的休みやすい時期があるので、短期育休であれば、取得できるかもしれません。
②政治家(残りの任期による)
どこかの男性政治家が、「育休を取得する」と騒ぎたててそのまま消えていきましたが、彼が取りたかった育休はいったいどれくらいの期間だったのでしょうか。
政治家も、最初から任期が決まっているため長期取得は難しいと思います。スポーツ選手と同じく、短い契約期間内で結果を出すことが求められているかわりに、一般人よりも高い給料が支払われているわけです。
とはいえ、短期の育休や妻の出産休暇は、よほどの緊急事態やビッグイベントでないかぎり、今後世間的にも認められるべきでしょう。
③非正規雇用者(契約内容による)
フリーターや契約社員と呼ばれる短期契約の社員は、育休が取れない場合がほとんどです。休みたければ、退職と転職が同時に付いてきます。
そういった理由からも、いわゆる「正社員」を目指すほうが良いのですが、自由に生活したいという若者が増え、それを良いことに非正規雇用を進めて人件費を削減しまくっている企業が多いので、非正規雇用者は増加の一途です。
非正規雇用者であれば気軽に転職して休めるのかと思いきや、正規雇用者に比して所得も低いため、結局は「貧乏暇なし」。
子育てをしながら転職活動は至難の業です。非正規雇用の罠、なんと、平均の給料は正規雇用者の56%しかありません。
また、あまり注目されていませんが、非正規雇用者が増えることで、実は正規雇用者の仕事や責任の負担も増えています。
実は今、日本が重視している「経済政策」というものが、少子化を進め子育てをしにくくしている最大の要因かもしれません。
④自営業(株式会社、有限会社を除く)
育児休業は、会社という組織で働く人のための制度です。どこにも属さず全くのフリーランスで仕事をしている人の育休は、「育児休暇」と呼ばれます。そうなると手当も支給されないので、生活が苦しくなります。
自営業は仕事の量を自分で調節できるので、完全に休んでしまうよりも上手に時間のやり繰りをするのが良いかもしれません。
「育児休暇」を支援する制度はほとんどないため、低金利の教育、育休ローンや給付式の奨学金など、子どもたちを支援するための制度が充実すればと思います。
⑤プロジェクトを進める仕事(建築、営業職、企画部etc)
今回のママの声のように、建築業界など何らかのプロジェクトを進めている業種も育休が取りにくいでしょう。
期限までに仕上げなくてはならない仕事があり、契約内容や責任問題から、他人に任せることが出来ないことも多いはずです。さらに、専門資格が必要な職種となれば、替えが利きません。
こういう職種には、今回のママの声のように、仕事の時間短縮やフレックスタイムで対応するしかありません。
しかし、妊娠中や産後の女性には就業時間に関する制度がありますが、子育て男性にはそういった制度がほとんどありません。
晩御飯の買い物、料理、お風呂、片付け、寝かしつけ・・・。夕方以降の女性は大忙しです。
せめて産後、ママの体調が回復するまでの約1か月だけでも協力することができれば、きっと家族はもっと円満になるのではないでしょうか。
女性が産休・育休が取りやすい職種
女性の産休・育休を認めず、辞めてほしいという会社は以前に比べてさすがに少なくなっていると思いますが、そんな働く女性の仕事にも、産休・育休が取りやすい職種とそうでない職種があるそうです。
某求人雑誌の調べによると、産休・育休を取りやすい職種は、
・販売員
・看護師、医療従事者
・保育士
・介護士
・銀行、証券、保険会社
・ファッション、美容業
・公務員
だそうです。実際はどうでしょうか。大企業や女性が多い職場であれば、取得しやすいように思えます。
女性の場合は、「育休の取りやすさ」よりも「復職のしやすさ」がネックになると思います。
長期の育休を取れば取るほど、仕事の腕は鈍って当然です。
育休を取得できるかどうかではなく、復職後にストレスなく働くことが出来るようにするために、男性が一年間交代で休む。これが北欧スタイルです。
私たちが子育てをしている今の日本は、近くにおじいちゃんやおばあちゃんがいた時代とは違い、気軽に頼れる人もいません。
職場に託児所を設けるなど、育児ママの仕事復帰のための様々なアイデアが出されていますが、そういった復職のための対応が、女性の仕事探しのポイントとなるかも知れません。
育休をもっと取りやすく?!
2016年7月、政府が最長1年半にわたって給付金を受けられる育児休業期間を、最長2年程度まで延長する方針を固めました。
「待機児童を解消するため」だそうですが、経済のことばかりではなく、もう少し「子どもの成長のため」という視点で考えてほしいものです。
しかし、そうなるとますますパパが育休を上手に活用することが求められるようになり、男性の役割も大いに期待されます。
現在のように短期も含めてパパの育休取得率が2~3%では、いくら期間を延長しても意味がありません。
男性が育児休業を取得し、子育てに参加しやすくするためには今回のような「女性の声」が必須です。
女性が社会進出している今、男性も育児に進出しなければなりません。
企業の意識改革、収入面、教育費の支援、人材バンクの確保など、課題は数多く残っていますが、男性が育児に参加することのメリットや少子化問題を考慮し、社会問題として考えたいです。
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よしもとあきふみ(32歳)
中学校教師
2016年3月、第二子が産まれるのをきっかけに1年間の育児休業を取得することを決意。
長男3歳・長女0歳
ブログ『男の育児休業は第二子で!』更新中!
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