「働いてみようかな」を前進させる下準備と長期的視点 |ママのキャリア応援コラムvol.15

2016.03.17

こんにちは!!「ママがママらしく働くコラム」ママのキャリアコンサルタント、畠中直美です。

 

安心して「いってらっしゃい」を言うために

前回のコラムで、お子さんの預け先にはどんなところがあるのかをご紹介しました。

思ったよりもたくさんあると思ったでしょうか?それとも、色々あるから余計に迷うなと思ったかもしれませんね。

よく「いつか働こうとは思うけど、預ける先がないし諦めようかな」という声をお聞きします。でも、預け先は一つではありません。また、働き方もフルタイムだけではありません。

視野を広げること、そして早めに情報収集をしておくことが、働く前に必要です。それは自分が動きやすくなるためでもありますが、一番はお子さんのため。

安心して「いってらっしゃい」が言えるように下準備をしておきましょう。

今回のコラムでは、たくさんの預け先があるけれど、選び方がわからないという人に役立つ情報をお伝えしますね。

 

知っていますか?よい保育施設の選び方 十か条

まず、お子さんの預け先を探す前に見ておくことをお勧めしたいのが、厚生労働省ホームページに掲載されている「よい保育施設の選び方 十か条」です。(http://www1.mhlw.go.jp/topics/hoiku/tp1212-1_18.html

詳しい説明は是非サイトをご覧いただきたいのですが、項目だけでもこちらで紹介しますね。

よい保育施設の選び方 十か条
1. まずは情報収集を
2. 事前に見学を
3. 見た目だけで決めないで
4. 部屋の中まで入って見て
5. 子どもたちの様子を見て
6. 保育する人の様子を見て
7. 施設の様子を見て
8. 保育の方針を聞いて
9. 預けはじめてからもチェックを
10. 不満や疑問は率直に

ここにも書かれていますが、「まずは情報収集、そして事前に見学」することが大事です。

保育は人と人が関わりあって行うもの。良い悪いだけでなく、「合う、合わない」をしっかりと見極める必要があります。

そのためには実際に見学し、話を聞き、雰囲気を自分自身で感じてみなければいけません。

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自分なりの基準を持つ

前回のコラムでご紹介した通り、預け先は様々。一体どこから見学に行けば良いのだろうと迷われるかもしれません。

あくまでも私自身の経験からの意見にはなりますが、ポイントをご紹介しますね。

数々の預け先の中で、まず最初に預けてみようかなと思いやすいのは「認可保育園の一時預かり」だと感じています。理由は認可保育園であること、そして料金が格段に安い事です。

ここで大切なのは、まず預けてみること。そうすることで、「保育ってこういうことなんだ」という一つの基準を持つことができます。

この認可保育園の一時預かりの経験を、他を利用した時の比較対象とするわけですね。

ただ、預けてみようと思いやすいがゆえに、利用希望者の申込みが集中し、思うように予約が取れない事も多々あります。

利用頻度や、申込み時期など各園によって決まりがありますので、早めに調べてくださいね。(詳細は市区町村のHPで調べられます。)

ちなみに私は息子が生後5か月の時、認可保育園の一時預かりを週に1度利用して資格取得のスクールに通いました。

親族が近くにいない私にとって、保育園は預け先でもあり、子育て相談の場。お迎えに行った際に、保育士さんから子どもの寝かしつけ方を教えてもらったり、不安なことを相談できたりと、初めての子育てを優しくサポートしていただきました。

次に似ているけれど違いがあるのが「認可外保育園の一時預かり」

ひとくちに認可外保育園と言っても保育・育児方針も様々。自由保育をメインにしているところもあれば、使う遊具や保育方針にこだわりを持ち、
カリキュラムがしっかり組まれている園もあります。園により値段と内容にばらつきがあることが特徴。

「認可外保育園」だからやめておこう!では勿体ないですね。保育基準も認可保育園とほぼ変わらないほど充実している園もあり、私の感覚では、認可保育園と同等、むしろそれ以上に安心して子供を預けられる園もあります。

ただ、預け先の候補を選ぶ際には、 必ず見学に行き、安心してお願いできるかを確かめる必要があります。

また、住宅地の中にあったり、駅の中にあったりと、場所も様々。どんな時に預けるのか、どこなら無理なく送迎できるのかもポイントですね。

さらにお勧めしたいのが「ファミリーサポート」

預けたい側(依頼会員)と、預かってくれる側(提供会員)で成り立っている仕組みで、お住まいの市区町村が主に運営しています。

預かってくれる側(提供会員)への研修も行われていますし、子どもを預けている間の保険も自動的に加入できます。

ただ、お住まいの地域によって、依頼会員数と提供会員数とのバランスが大きく違うため、預かってくれる提供会員がすぐに見つかる地域と、なかなか見つからない地域があるのが現状です。

たとえば、新興住宅地など圧倒的に若い世代が多い地域だと、預けたい人が多くて、預かる人が少ないということもあります。

また、ファミリーサポートは家族の一員として提供会員の個人宅で預かる制度なので、どんな人か、どんな場 所(自宅)なのかをしっかりチェックしておかなければいけません。

私が現在よくお願いしているファミリーサポートさんは2名います。

お一方は、元気なおばあちゃん。もう一方は、私とさほど年齢の変わらないママです。

最後の手段として私が利用しているのは「ベビーシッター」

他の手段に比べて値段は高くなりがちですが、私の中の 「最後の手段」。他の託児手段では時間やタイミングが合わない等や、万が一の時に利用しています。

他にも、病児保育や病児シッター、習い事、プレ保育など、数時間の預け先となると保育園以外にもいろいろあります。 まずは一度、近くにあるところから、短時間だけでも試してみましょう。

そうすると「私はこういうところなら安心」「子どもはこういう保育や先生が好きみたい」という自分の基準ができてきます。

前回のコラムでもお伝えしましたが、「値段が安いから良い。値段が高いから安心」というわけではなりません。

それぞれのサービスや仕組み、方針などを、自分の目で見て確かめたうえで、みなさんの価値観と生活スタイルに合った託児を探してください。選択肢は、思いのほかたくさんありますよ!

認可保育園・一時預かり 心理面や金銭面のハードルが低い。予約を取るときのルール、預ける時 間などの融通がきかない場合が多いので、事前の確認はしっかりと。
認可外保育園・一時預かり 前日予約が可能など、融通がきく場合が多い。カリキュラムの有無など 保育内容、価格が園によりかなり差が大きい。
ファミリーサポート 需要と供給のバランスに地域差がある。個人が預かってくれるので、人 柄や預かり場所の様子を入念に確認しておく。
ベビーシッター 託児時間の融通がきくが、一般的に他の預け先よりも価格は高め。

表:畠中が実際に使ったことのある預け先の一例

 

預けたら損?大切なのは長期的視点で収支を考えること

ママが働こうと思った時に、一度は必ず考えるのが「働いて得るお金」と「働く間に子どもを預かってもらうためにかかるお金」のバランス。

預け先によっては、働いて得たお金が預け先への支払いに消えてしまうということもあります。「それなら働かない方がマシ」と思うのも間違いではありません。

今得られるお金が少ないのなら、お子さんとの時間を取るという選択もあります。

でも、その時にもう少し深く考えてみてほしいのです。働いたことにより得られるものはお金だけなのかということを。

働くことによる経験やスキルの価値は、お金で測ることはできません。逆にお金を払って何らかのスキルを身につける(勉強する)ということもありますよね。

また、今は収支がプラスになってなくとも、将来的に見ると早めに仕事を始めることによって、長期的に見ると収入が多くなる可能性もあります。

働くことも、働かないこともどちらも間違いではありません。どちらを選んでもそれぞれの経験とスキルが身につくことは確かなのです。

大事なのは、自分はどうしていきたいのかを長期的に考えて、それに向かって行動すること。今だけの収支に目を向けるばかりでは、変化はできません。

ぜひ「いつかはやってみたい」ということがあるのなら、そのための一歩を踏み出してみましょう。結果はどうであれ、その経験はあなたの財産。きっと未来につながりますよ。

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ママのキャリアコンサルタント
畠中 直美
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