自立と自律|心と体の成長を促す運動遊びvol.7
今日は、「自立と 自律」についてです。
「子どもがなかなかやる気になってくれない,
だからいちいち親が言わないと・・・」
小学生がおられるご家庭では,ほぼ共通した悩みではないでしょうか。
その思いの中には,「早く,親の手を離れて自立してほしい」という,
親ならば当たり前にある願いから来ていることと思います。
さて,自立と同じ読み方で「自律」があります。
<自立と自律>
どこがどう違うのでしょう??
自立は,自分で物事を行うこと。
自律は,自分の立てた行動計画を,自分の力だけで行うこと。
いかがでしょう,最終的にお子様に求めるのは自律ではないでしょうか。
子どもが自律するには,時間がかかり,その過程も様々です。
今回からしばらくは,元気っずクラブ小学生クラス(10回)での変化・・・
特に明らかに,
「最初はやる気まったくなかったけど,やる気出てきたなー」
と思える子どもについて,
その変化の過程を書いていきますね。
小学3年生Aくん
≪参加のはじめ≫
・本人の意思ではなく,親の意思により参加した様子がわかり,
4時半の開始時刻ぎりぎりにようやく公園に来ていました。
・公園にはいるものの,ほかの子どもたちの遊びをじっと見ていることが多く,
僕が「何がしたいの?」と聞いても,無表情・無反応のことが多くみられました。
・どんな遊びについても,いつもグループの後から着いてきて,
正直「途中でやめるかもしれないかな?」とも思いました。
≪参加の中盤≫
・遊びにロープを使った綱引きをしたころ,無表情だった顔が笑顔になり,
走って,綱引きをしているところまで来ました。
そして,今までにない活発な態度で綱引きに取り組み始めました。
・無表情だったのが,笑顔が多くみられるようになり,
次の週は自分から「先生,僕綱引きをしたい」と言ってきました。
≪参加の終盤≫
・すごく興味を持ちだした綱引きだけでなく,
それまでしていたリレーの時はチームの先頭に並び出しました
(走る順番は並んだ順です)
・ただ,走っているだけで,すぐにタッチされた鬼ごっこでも
捕まらないように,体をひねって逃げるなど工夫をし始めました。
・そして,開始時刻よりかなり前に来るようになりました。
Aくんが変わったきっかけは綱引きです。
ほかの子どもは自分がしたいことを言ってくるのですが,
Aくんは,なかなか言うことができずにいました。
自分がしたいことができて,笑顔になり,
楽しい時間と感じるようになったのでしょうね。
読まれた方は,参加の終盤で見せた行動のすべてが
「Aくん,やる気出てきたね」と,うなづかれるのではないでしょうか(^^)
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村田トオル
・大阪青山大学健康科学部子ども教育学科 准教授
・NPO法人日本健康運動指導士会兵庫県支部長
・第26期西宮市スポーツ推進審議委員
・日本体育協会スポーツ医科学専門委員会メンバー
・同志社大学健康体力科学センター嘱託研究員