自立と自律|心と体の成長を促す運動遊びvol.7

2015.03.23

 今日は、「自立と 自律についてです。

「子どもがなかなかやる気になってくれない,

だからいちいち親が言わないと・・・」

小学生がおられるご家庭では,ほぼ共通した悩みではないでしょうか。

その思いの中には,「早く,親の手を離れて自立してほしい」という,

親ならば当たり前にある願いから来ていることと思います。

 

さて,自立と同じ読み方で「自律」があります。

<自立と自律>

どこがどう違うのでしょう??

 

自立は,自分で物事を行うこと。

自律は,自分の立てた行動計画を,自分の力だけで行うこと。

 

いかがでしょう,最終的にお子様に求めるのは自律ではないでしょうか。

子どもが自律するには,時間がかかり,その過程も様々です。

今回からしばらくは,元気っずクラブ小学生クラス(10回)での変化・・・

特に明らかに,

「最初はやる気まったくなかったけど,やる気出てきたなー」

と思える子どもについて,

その変化の過程を書いていきますね。

 

小学3年生Aくん

≪参加のはじめ≫

・本人の意思ではなく,親の意思により参加した様子がわかり,

4時半の開始時刻ぎりぎりにようやく公園に来ていました。

・公園にはいるものの,ほかの子どもたちの遊びをじっと見ていることが多く,

僕が「何がしたいの?」と聞いても,無表情・無反応のことが多くみられました。

・どんな遊びについても,いつもグループの後から着いてきて,

正直「途中でやめるかもしれないかな?」とも思いました。

 

≪参加の中盤≫

・遊びにロープを使った綱引きをしたころ,無表情だった顔が笑顔になり,

走って,綱引きをしているところまで来ました。

そして,今までにない活発な態度で綱引きに取り組み始めました。

・無表情だったのが,笑顔が多くみられるようになり,

次の週は自分から「先生,僕綱引きをしたい」と言ってきました。

 

≪参加の終盤≫

・すごく興味を持ちだした綱引きだけでなく,

それまでしていたリレーの時はチームの先頭に並び出しました

(走る順番は並んだ順です)

・ただ,走っているだけで,すぐにタッチされた鬼ごっこでも

捕まらないように,体をひねって逃げるなど工夫をし始めました。

・そして,開始時刻よりかなり前に来るようになりました。

 

村田先生

 

Aくんが変わったきっかけは綱引きです。

ほかの子どもは自分がしたいことを言ってくるのですが,

Aくんは,なかなか言うことができずにいました。

自分がしたいことができて,笑顔になり,

楽しい時間と感じるようになったのでしょうね。

 

読まれた方は,参加の終盤で見せた行動のすべてが

「Aくん,やる気出てきたね」と,うなづかれるのではないでしょうか(^^)

 

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村田トオル
大阪青山大学健康科学部子ども教育学科 准教授
・NPO法人日本健康運動指導士会兵庫県支部長
・第26期西宮市スポーツ推進審議委員
・日本体育協会スポーツ医科学専門委員会メンバー
・同志社大学健康体力科学センター嘱託研究員

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