歯医者さんと一緒に「子どもの育つ力を伸ばす口腔育成」について考えよう

2014.11.30

こんにちは!

【歯医者さんと一緒に考える、子どもの育つ力を伸ばす口腔育成】のコラムを担当する小野大地です。兵庫県西宮市で歯科医師をしています。

明海大学歯学部卒業後、2013年に小野デンタルクリニック&歯科医院併設型子ども広場くっくえんを開設。日々、子ども広場でお母さまのお悩みにお答えしています!!

 

近年、私たちを取り巻く環境は大きく変わり、生活はより便利に、そして快適になりました。また、食べる物も豊富で、どのようなものを食べるかを自由に選べます。しかしその反面、快適な生活は成長するための機会を奪い、食に関してもより考えて食べなければならなくなりました。今の子ども達に必要なものは何なのか、そしてどのように与えてあげればよいのか、私は「歯医者さん」というちょっと変わった視点から見ていきたいと思います。

 

◆子どもの仕上げ磨き~スムーズに歯ブラシを受け入れてもらうために~

現在私は、兵庫県の西宮市にある食育口腔育成支援センターが運営する歯科医院併設の子ども広場 苦楽園“くっくえん”でお子さんの相談をお受けしています。

その中でよく相談される仕上げ磨きについて、まずお話したいと思います。

 

仕上げ磨きで格闘した経験や、これから大変そうだな~と思っている方も多いのではないでしょうか?仕上げ磨きは虫歯にならないためにもとても重要です。しかし、それだけではなく仕上げ磨きをすることは子どもにとって沢山のプラスがあります。それらについては、今後何回かに分けてお話させて頂きますが、今日はどうやったらスムーズに子どもに受け入れてもらえるのかをお話しさせていただきます。

 

どんなに上手な磨き方を知っていても、子どもが嫌がったら上手に磨けません。「なんでもお口に入れたがるのに、何で歯ブラシは入れさせてくれないの?」そう思いませんか?

 

子どもは子どもなりに、これは口に入れても大丈夫だ!!と思って、食べ物でも積み木でも鉛筆でもお口に入れてしまいます。でも誰かが口に入れてくるものは、「なんだ?何をする気だ?」と思っているもかもしれません。まずは歯磨きと歯ブラシが楽しいと認識させてあげましょう。

 

◆歯磨きや歯ブラシを通して、親子のコミュニケーションを

みなさんが歯医者さんに診てもらう時や、仕上げ磨きの時は、ごろーんと寝っころがりませんか?それは術者がやりやすいからです。

 

子どもにもいきなりその姿勢をさせようとしていませんか?まずは、子どもの緊張を解くことを優先し、膝の上や正面からやってみるのがいいかもしれません。それではお口を開けて、、、ではなく、まずはほっぺたや唇を指でマッサージしてみましょう。筋肉が柔らかくなり唾液も出やすくなります。

 

それにお母さんに触れられる事は、子どもにとっても幸せで安心感を持つものです。子どもが少し慣れてきたら、いきなり歯ブラシを持って歯を磨く、、、のではなく、歯ブラシの毛先を使って、最初は手や腕そしてほっぺた唇へと、ちょんちょんと触っていきましょう。

あれ?歯ブラシの毛先って気持ちいのかな?そう思わせたら歯磨きも嫌じゃなくなるかもしれませんね。

 

奥が深い「仕上げ磨き」。次回のコラムもぜひお楽しみに!

 

==========

歯科医  小野 大地

 

『 Column』の最新記事

Back Number