子どもの嫌がる歯磨き|子どもの育つ力を伸ばす口腔育成vol.3
こんにちは。「歯医者さんと一緒に考える、子どもの育つ力を伸ばす口腔育成」を担当する、歯科医師の小野大地です。
前回に引き続き、歯磨きについてです。
今日は「子どもの嫌がる歯磨き」についてお話していきます。
子どもが嫌がるような歯磨きの仕方を知っていればそれをしなければいい。簡単に言うと痛いのが嫌です。今日このコラムを読んだ後、誰かに歯を磨いてもらってみてください。半分くらいの人は、なるほど!痛いな。とイラッとするかもしれません。
まず体勢ですが、1回目のブログで書いたように、寝転がる体制で後ろから行う方法が磨く人は行いやすいかと思います。慣れたらこの体制で行ってみましょう。
では、歯ブラシが当たると痛い部分を確認していきます。
一つが小帯と言う場所です。上唇と下唇を引っ張って、裏側の真ん中にスジがあるのがわかりますか?特に上唇のスジは小さい時は太く長く伸びており、前歯を磨くときにあたると痛がります。この部分のスジは上あごが成長するにつれて歯茎の上の方に移動し、細くなります。
しかし、大人の歯が生えても太いままの状態だと歯並びが悪くなる原因や細菌が溜まりやすくなるので、歯医者さんに相談してみるといいでしょう。その他に舌小帯と呼ばれる舌の裏側のスジも毛先が当たると痛いので、歯ブラシは大きく横に動かすのではなく小刻みに振動させるような感覚で磨くといいでしょう。
もう1か所、奥歯の奥のほうを触ると固い部分があります。そこは歯ブラシの柄が当たりやすいので注意するようにしてください。磨き方としては一番奥の歯は手前から奥に磨くのではなく、奥から手前に引っ張り、掻き出すイメージで磨くと良いでしょう。特に一番奥の歯は汚れが溜まりやすい歯でもあるので丁寧に行います。
痛い場所はわかりましたか?
では、もう一つ重要なのがブラッシング圧です。
歯茎はとてもデリケートで子どもは特に繊細です。子どもを抑えていると歯ブラシの持ち手に力が入ってしまい余計な力が入ってしまう事があります。力が入ると毛がねてしまい上手く磨けない箇所が出来てしまうので、歯ブラシはグーで握るのではなく、鉛筆を持つように握り、軽い力で磨いていきましょう。
いきなり沢山の事を考えるは難しいので、真ん中と奥、この2カ所の磨き方に注意し、鉛筆を持つように優しく細かく磨く。これだけを注意するだけでかなりレベルアップするのではないでしょうか。
==========
歯科医 小野 大地