仕上げ磨きの大切さ|子どもの育つ力を伸ばす口腔育成vol.2

2014.12.19

こんにちは。「歯医者さんと一緒に考える、子どもの育つ力を伸ばす口腔育成」を担当する、歯科医師の小野大地です。

 

前回のコラムで、

『仕上げ磨きは虫歯にならないようにする以外に沢山のプラスがあります』とお話ししました。

2回目のコラムはそのことについて少し詳しくお話していこうかと思います。

 

まず、仕上げ磨きはいつから始めるのが良いのでしょうか?

一般的には最初の歯が生えてくる生後半年くらいから始め、奥歯が生えるまでの1歳半までの間にしっかりとした習慣をつけておくのが良いとされています。

 

しかし私はもっと前から始めても良いと考えています。歯が生える前から仕上げ磨き?と思うかもしれません。勿論歯が生えていない状態では虫歯になりません。

 

しかし、口腔内を刺激することに意味があります。口腔内、特に舌は魚の骨が刺さっていても、髪の毛が入っていてもすぐ気が付くくらい神経の集中している場所であり、そのような場所では反射がよく起こります。

 

反射とは刺激に対して無意識に身体が動くような反応で、熱いものを触ってとっさに手を引っ込めるような動きです。舌を軽く押したり小刻みな刺激を与えると、その刺激に反応して押し返して来たりピクピクっと動いたりします。そのような刺激を繰り返すことで神経系の発達は促進され舌の動きや成長にも影響していきます。

 

つまり、歯が生えていない状態からでも、お口の中にたくさんの刺激を与えてあげる事でお口が成長し、身体も一緒に成長していく事になります。

これが私たちの考える「口腔育成」です。

 

なので、仕上げ磨きはとても大切だなと私は思います。もちろん虫歯にならないように歯の汚れをとることも重要です。しかし、全部の歯をきれいに磨くのはとても難しく、生えかけの時は歯ブラシでチョチョっと触って、汚れはガーゼなどを指に巻いて歯の表面を優しく拭うのも良いかと思います。

 

歯磨きの方法は1つでなく、今の自分の子どもに合った磨き方とお母さんに合った磨き方を模索していきながら、一緒にレベルアップしていけば良いのではないでしょうか?

 

次回は子どもの嫌がる歯磨きの仕方をお話ししていきたいと思います。

 

==========

歯科医  小野 大地

 

『 Column』の最新記事

Back Number