知っているようで知らない?!キシリトールとリカルデント|子どもの育つ力を伸ばす口腔育成vol.15

2015.12.08

こんにちは。歯科医師の小野大地です。

虫歯の予防や、歯を強くする成分の入ったガムやタブレットをよく見かけるようになりました。その中でも「キシリトール」や「リカルデント」という言葉をよく耳にします。商品名にもなっているこの二つは、実は「成分」なのです。

では、その2つの成分はどのような効果があり、どう違うのでしょうか?今日は知っているようでよくわからない「キシリトール」や「リカルデント」という成分のお話をしていきたいと思います。

歯医者

キシリトールは甘味料?!

まず、一番有名なキシリトールですが、虫歯の原因である酸を作らない天然の甘味料です。長時間口腔内に留まり、適度に甘さが必要なガムなどに多く使われています。

このキシリトールは虫歯の原因にならないだけでなく、虫歯の発生を防ぐことはできます。これは唾液の分泌を促進させると共に、ミュータンス菌(虫歯菌)がキシリトールを分解しようとエネルギーを消費することで、成長・増殖を阻害する効果があります。


リカルデントは添加物?!

一方、リカルデントは甘味料ではなく無味無臭の添加物です。これは、牛乳に含まれる成分で、歯の表層を形成するエナメル質がカルシウムやリンを取り込みやすくします。

カルシウムやリンを取り込むことによって、酸に対する抵抗力が増すだけでなく、完全に虫歯になって穴が開いてしまっているものは回復しませんが、ごく初期の段階だと修復することができます。

歯

キシリトールもリカルデントは補助的なもの

ではこれらをしっかり取っていれば虫歯にならないのでしょうか?答えはNOです。

あくまで補助的なものなので、
① しっかりと歯磨き
② 正しい食生活
③ 定期的な健診
がメインです。

この3つに加えて、フッ素やキシリトールなどを使うことで、より効果的に虫歯を防ぐことが期待できると思われます。

ちなみにキシリトール成分の含有量をご存知でしょうか?キシリトール配合と書いてあってもスーパーやコンビニで販売されているものには、実はさほど多く入っていないものもあります。

効果を期待して選ぶ場合はキシリトール成分が50%以上配合されているものを選ぶようにしましょう。歯医者さんではキシリトール100%のガムやタブレットなどを置いているところもあります。

スーパー等で売っているものよりも効果はもちろん期待できますが、お子さんがそれに頼って歯磨きを疎かにしたりしないよう、ママもしっかりと見守ってあげてください。

そして、何よりも大切なのは毎日の歯磨きであることをママ自身も覚えておいてくださいね。

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歯科医 小野大地

小野先生がゲスト出演したスマイルママラジオ
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▼「子どもの育つ力を伸ばす口腔育成」
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