農家に収穫の喜びという言葉はない|情熱!ジンジャーマンのほっと四万十!vol.3

2015.11.24

コラム「情熱!ジンジャーマンのほっと四万十!」 を担当する、ジンジャーマンこと茨木良太と申します。高知県・四万十で、生姜の無農薬栽培を中心に農業をしています。コラムを通して、自分ちの「子育ち」を改めて見つめなおしながら、四万十の日常のことや、畑のこと、生姜のことなどを書いていきます!

◆バックナンバー◆
vol.1『ジンジャーマンって何者!?』
vol.2『友人が大喜びしてくれた生姜のふりかけの作り方』

11月は何の季節?

2015-10-27 08.47.15 (640x481)

四万十ではもちろん生姜の収穫の季節です!春、4月の中旬に植えつけた生姜。半年以上かけてようやく収穫の季節を迎えました。

生姜の生産量日本一のここ四万十町。10月の20日過ぎから11月中旬の初霜の降りるまで、3週間ほどの間にいっせいに収穫作業を行います。

たくさんの人手を必要とする作業なので、農家の家族は言うにおよばず、手の空いた人には子どもでもお年寄りでも、生姜堀りのアルバイトに声がかかり、いつもはじいちゃんばあちゃんの社交場になっている町の病院からも人が消えうせ、四万十町の昼間人口は畑に集中します。(決して大げさではないんですよ!)

生姜3

町の郊外に車を走らせると、すかした窓から生姜のいい香りが漂ってくるほどです。

新規就農で知り合いも少ない僕らは、無農薬生姜を栽培しているNPOの仲間と「結い」で共同作業に当たって、人手不足を補ったりしていますが、日曜などは家族だけで、子どもたちも畑に来て手伝ったりします。

5才児も自分でちゃりんこに乗って畑に。種生姜も鍬で掘り出したり、ハサミで茎も切るし、ちゃんと上向きで(茎が付いていたほう)コンテナの中に入れていくことも覚えました^^

2015-11-03 15.00.05 (640x481)

さて、この「収穫」という作業。

よく「収穫の喜び」という表現をされたりもしますが、農家にとって収穫という作業はそれほど楽しいことでもありません。掘り上げるまでに、良くも悪くも結果はすでに出ていて、それを受け入れ、淡々と作業をこなすだけなのです。

頭の中は、悪かった年には原因究明と反省がグルグル、良い年には更なる改善をと、すでに来年に向けた思考でいっぱいです。そして収穫作業が終われば、実地に畑に手を入れていくことになります。

冬を越え、やがてまたすぐ春が来て、一番ワクワクするのは「さあ、これから植え付け!」という時です

コレって意外な感じでしょうか?
では農家としての生きがい、喜びってどこにあるのかと言えば、それは自分の育てた生姜が(本当は自然がですけど)お金を出して買ってもらえることに尽きます。

生姜10 (640x452)

そしてご家庭でどんな風に喜んでもらえるのか、プロの料理人さんの手でどんな風にポテンシャルを引き出してもらえるのか、楽しみの違いはあっても、ありがたさにまったく変わりはありません。

また、通販を開始して初めて、ご注文の住所欄に「がんクリニック」という文字を見たときには違った衝撃もありました。自分がやりたくて、自分のために始めた農業ですが、わずかでも世の役に立っていると思えることは、格別であると同時にとても重い、そう感じた瞬間でした。

生姜には「抗酸化作用」・「抗炎症作用」・「抗糖化作用」といった素晴らしい効能があります。

四万十の自然の力を生かして、手を抜かないお世話で、本当に価値のある生姜を育てていきたいと改めて思いながら今シーズンの生姜栽培も終わりを迎えます。

まだまだ精進、あるのみです。
まもなく本格的な冬のはじまり。
「マサラ☆ジンジャーの素」を使って、ホットジンジャーなどはいかがでしょうか?

お友達でマクロビオテックの先生、東川恵理子さんから教わったレシピです。生姜とスパイスの刺激は、カラダとココロをホカホカに温めてくれます。

『マサラ☆ジンジャーの素』
【材料】
A生姜(皮ごと)・・・100g(フードプロセッッサーで細かいみじん切りに)
甜菜糖・・・300g
鷹の爪・・・3本
黒胡椒・・・小さじ1/4
シナモン・・・大さじ1
カルダモン・ホール・・・4粒(砕く)
レモン表皮・・・1個分
クローブ(あれば)・・・1個
水・・・300cc

Bレモン果汁・・・1個分(50cc)

【作り方】
①Aを鍋で沸騰させ、煮溶かし、Bのレモン果汁を加える
②そのまま冷蔵庫で保存(2ヶ月OK)熱湯でホットジンジャー、炭酸水でジンジャエールとしてお楽しみいただけます、水で割っただけのドリンクもグッド☆※ジンジャーの素は1人前40cc~50ccが目安です

【注意点】
・シナモンは量が多いので、溶かすときはあらかじめ少量の水で練って、少しずつ水を加え、完全に溶かしてから鍋にいれるといいです。(そうしないと、粉が分離した状態のまま溶けません)
・鷹の爪は、辛いのが苦手な方はなくていいかも。
・漉さずにそのまま冷蔵庫で1週間くらい寝かすと、味がなじんで最高に美味しくなります。辛味は少し抜けてきますので、最初「辛っ!」と思うぐらいでちょうどいいかも。その後、食感が気になる方は漉してもいいと思います。

==================
無農薬生姜 四万十情熱「ジンジャーマン」
茨木 良太
◆HP
http://shimanto-sweet-farmers.net/
◆Facebookページ
https://www.facebook.com/s.j.gingerman
◆日本最後の清流のまち・高知県四万十町
http://www.town.shimanto.lg.jp/

『 Column』の最新記事

Back Number