よりよい口腔環境をつくるために|子どもの育つ力を伸ばす口腔育成vol.13

2015.09.29

今日は、よりよい口腔環境をつくるために何ができるのか、そして歯医者さんに行ったら何を見てもらえるのかをお話ししていきたいと思います。

 

私は去年より1000 人以上の幼児の口腔内や歯列模型を見てきましたが、良いと思える子は珍しく、8割以上はどこかに問題があり、その中の3割ほどは早期の治療と生活改善が必要だと感じました。

つまり、今のほとんどの子どもたちの口腔内の状態は決してよいとは言えません。

そして、歯並びは口腔環境、全身の成長と相関している部分が強くあることを実感しました。

 

この経験から、歯科医師として子どもたちに、よりよい口腔環境を用意してあげるために何ができるでしょうか。

まずは口腔内を清潔に保ち、虫歯の予防と早期の治療を行う事です。

虫歯で崩壊した歯を元の形態に再現できるのは、初期の段階の虫歯に限られ、大きな虫歯や欠損を放置することは、歯列の乱れに繋がるため、適切な治療が必要になります。

 

次に口腔内の状態を確認します。

同じ学年に数人は歯の形態異常や先天的に欠損している子がおり、これらも不正歯列の原因になりえます。

そのため、早い段階で知っておくことで対処できる事もあります。

これらは保険の範囲内でできる事であり、定期的に歯医者に行って診てもらう事で虫歯のリスクなども同時に知ることができます。

 

さらに、より良い状態の口腔内を作るための装置もあります。

保険適用外のものが多く、種類は様々ですが、成人の矯正治療より低コストで、将来矯正をするとなっても期間や費用を抑えられる可能性が高くなります。

昔は成長してから治療するような考え方が強かったですが、悪くなる前に、そうならない口腔環境を作るという考えが広まってきています。

 

子どもの成長は日常の生活が基本となりますが、歯科治療によって手助けができる部分もあるので、知っておくのもよいかと思います。

 

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歯科医  小野 大地

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