健康に関する子育てQ&A③|心と体の成長を促す運動遊びvol.12

2015.07.09

3回目となる「健康と子育ての関係」

今回は・・・

 

◆「怒る」と「叱る」の決定的な違い

「当たり前です~そんなの。字が違いますやん!」

とツッコミを入れられそうですが(笑)

このシリーズは『健康科学』からみた子育てのお話です。

最後までお読みくださいね。

 

「そんなことしてたら,お母さん怒るよ!」

「怒られる前にやめなさいよ!」というふうに,

ほとんどのご家庭で、言い方こそ違えど

「怒る」という言葉が飛び交っているかと思います。

 

では,まず最初に言葉の整理をしましょう。

 

怒るとは,子どもの行動によって不快になり,

感情的になって腹を立てること。

つまり,親がキレているわけですね。

 

一方,叱るとは,子どもの良くない行動に対して,

愛情をもって子どものために注意すること。

つまり,声を荒げることだけではなく

諭すように話をすることも,叱ることなのですね。
もう賢いスマイルママの皆さんなら,

言葉上だけでも,どちらがいいかお分かりですね。

 

でも僕の専門は健康科学です。

さらに決定的な違いを続けます。

 

怒るとき,体の中では

一体何が起こっているのでしょうか?

 

人が怒るとき,脳から

ノルアドレナリンというホルモンが出てきます。

このホルモンの働きは「心拍数を上げる」

「呼吸数を増やす」「血圧を上げる」

・・・そうなんです,

戦うための態勢に入っているわけなんです。

思い当たる節がある人多いのでは(笑)

 

はたして,お子さんと戦う必要があるのでしょうか?

違いますよね。

また,このホルモンは

目じりのしわを増やすことにも作用します。

つまり,怒るというのは,怒る本人(親)の健康上

とってもよくないことだらけなんです。

そして知っていただきたいのは,怒る瞬間には

理性的な判断・思考が難しくなることなのです。

 

ここで,怒られるお子さんの立場になってみましょう。

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親が目の前でキレている

さらにヒートアップ

何か言うとさらにヒートアップするかもしれない

じゃあ,黙って下を向いておこう

もうそろそろ,いいかな?と上目づかいで親の顔を見る

あ,もう嵐は過ぎ去った。

なんだかよくわからないけど

とりあえず,うなづいておこうっと。

 

どうでしょうか?

少しは耳に入るかもしれませんが,

親にキレられ,反論の余地なく

黙って嵐の過ぎ去るのを待ち,

親の状態を上目づかいで見る。

 

いけないことをしたのはわかりますが、これって

そのあとに改善が期待できるでしょうか?

答えは「ノー」ですよね。

 

いけないことをいけないというのは構いませんが,

なぜいけないのかを

お子さんに理解できる言葉で伝える必要があります。

理性的な判断・思考ができない状態で

その重要な役目を担うことができるでしょうか?

これも「ノー」ですよね。

 

では,どうすればいいのか・・・

「叱って」ください。

 

愛情を持って。

心のゆとりを持って。

 

そうすれば,お子さんに

あなたが言いたいことがきっと伝わりますよ(^^)

 

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村田トオル
大阪青山大学健康科学部子ども教育学科 准教授
・NPO法人日本健康運動指導士会兵庫県支部長
・第26期西宮市スポーツ推進審議委員
・日本体育協会スポーツ医科学専門委員会メンバー
・同志社大学健康体力科学センター嘱託研究員

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