遊ぶことは学ぶこと|乳幼児の身体と感覚の発達を育むラクガキ遊びvol.1
みなさん、はじめまして。
コラム【乳幼児の身体と感覚の発達を促すラクガキ遊び】
を担当します、和泉誠です。
「私、絵心ないので」って思っている保護者の方に
是非読んで欲しい内容です。
私は京都精華大学美術学部卒業後、美術系大学、
短大、専門学校で助手や講師をつとめ
2005年、娘の誕生をきっかけに幼児教育や保育に興味を持ち、
子どもたちにこそ美術教育が必要なんじゃないかと思い、
2010年にこどもなーとを開設。
0歳児から中学生までの子どもたちと
関わりながら日々を過ごしています。
◆遊ぶことは学ぶこと
ただ絵の具で色を混ぜて遊ぶ
ひたすら何かを並べていく
粘土をこね続ける
子どもたちはすべて意味のある行動をとっています。
色やモノが変化して行く様を自分なりに手探りで確認し、
自分なりの感覚で認識していくのです。
そうやって遊びながら生きていく上で必要な知識や知恵を
いつの間にか身につけていきます。
遊びと学びは子どもにとって同じことなのです。
しかし、いつからか子どもたちは勉強が嫌いになります。
遊びと学びが別のものになってしまいます。
それはなぜか?
管理され、強制され、干渉され、
勉強が「しないといけないもの」になるからです。
それでも新しいことや知らないことを知りたいという
「知的好奇心」は失われることはありません。
知りたいという「知的欲求」です。
そして同時に知り得た知識を
何かしらの形で確認したい、表現したいという
「表現欲求」も強くなっていきます。
この二つの欲求が「想像力」を高め、
人類の英知を育んできました。
少し話は変わりますが、お父さん、お母さんの中に
「私は絵を描くのがヘタ」「美術は苦手」
と思ってる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「絵がヘタ」「美術は苦手」と意識しだしたのは
いつくらいでしょうか?
小さい時は、ほとんどの子がラクガキしたり
工作をしたりすることに対して強い興味を持っています。
しかし、大人が判断した「うまい」「へた」の
概念を押し付けられ、いつの間にか自分は
「絵がヘタ」だと思い込んでしまうのです。
そして苦手意識が刷り込まれる。
表現に「うまい」「へた」はありません。
そして子どもはそれを良く知っています。
大人も子どもの感覚を認めてあげることが
子どもの成長に不可欠ではないでしょうか。
「何これ?」こんなもの作ってたん?」
子どもたちと子どもたちのペースで過ごしていると
お迎えに来た保護者の方に
「今日は何を作ったの?何を描いたの?」と聞かれて
子どもたちが作った作品を見せると
「何これ?」と言われたり、
「こんなもの作ってたん?」と言われてしまうことも。
物事の捉え方や感じ方、視点を変えてみることで
価値観ががらっと変わることがあります。
◆「かぼちゃのスープ」
例えば、、4歳の女の子が作った作品。
紙コップに黄色い紙粘土をつめたもの。
タイトルは「かぼちゃのスープ」
お母さんはそれを見て、
「え!?2時間かけて作ったのこれ?」とあきれ顔。
そこで制作途中で記録していた画像を見せながら
「まず彼女は紙粘土に黄色や緑色を付けてかぼちゃを作り、
それをナイフで切って小さくしてから
何度も何度もしっかりつぶして紙コップに詰めていって、
緑色の紙を小さく切って上から振りかけてましたよ」
とお話しさせてもらうと、お母さんの表情が一変!
数日前にお母さんがかぼちゃのスープを作った時に
彼女が調理工程をじっと見てたことをあったらしく、
お母さんは黄色い紙粘土を詰め込まれた紙コップを見て
「すごいね、しっかり作り方を見てたんやね」と。
正直な話、かぼちゃの出来が良かったので、
いきなり切って潰し出した時は
僕も「えー!」っと思いましたが(笑)
お母さんと話して色んなことが繋がりすごく納得できました。
子どもの視点に寄り添ってみると見え方が変わったり、
見えなかったものが見えてくることもあるので面白いですよ。
次回はラクガキが乳幼児の発達において
どのような役割を果たすのか、今後の成長過程において
どのような影響があるのかをお話ししたいと思います。
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和泉 誠(いずみ まこと)
株式会社なーと 代表取締役
株式会社アトリエClover 代表取締役
こどもなーと代表
スーパーダディ協会 関西支部長
◆こどもなーとFBページ
https://www.facebook.com/codomonoart
◆スーパーダディ協会
https://www.facebook.com/SuperDaddyAssociation