自立と自律②|心と体の成長を促す運動遊びvol.8

2015.04.10

前回からこのコラムでお話ししている<自立と自律>

もう一度ここでおさらいしますね。

 

自立は,自分で物事を行うこと。

自律は,自分の立てた行動計画を,自分の力だけで行うこと。

 

いかがでしょう,最終的にお子様に求めるのは自律ではないでしょうか。

何度も言いますが,子どもが自律するには時間がかかり,

その過程も十人十色本当に様々です。

 

今回も元気っずクラブ小学生クラス(10回)での変化・・・特に明らかに,

「最初はやる気まったくなかったけど,やる気出てきたなー」

と思える子どもについて,その変化の過程を書いていきますね。

 

 

◇小学1年生Bちゃん

≪参加のはじめ≫

・友だちといっしょに参加していて,

その友だちが休むといっしょに休んでいました。

 

・始まる時刻より早く来るのですが,

とぼとぼと所在無げに歩いてくる姿が多く見られました。

 

・元気っずクラブでの,高さの低いハードルやコーンの間を

ジグザクに走るようなサーキットをする時,

「私できない!」としてもいないのにはじめから決めつけて,

尻込みする場面がありました。

 

・周りの子どもが満面の笑みを浮かべ,

歓声をあげて公園内を走っているのですが,

少し離れたところで,ぼんやり見ているだけのことが多かったです。

 

≪参加の中盤≫

・友だちが休んでも参加するようになってきました。

それにつれて,自然な笑顔で公園まで走って来る姿が見られました。

 

・かけっこリレーでは,人数の関係で2回走る子どもを決める場合があっても,

「私,2回走りたい」と同じチームの友だちに向けて,

自分の意見をはっきりと言う積極的な発言がありました。

 

≪参加の終盤≫

・早く来て,友だち数人と追いかけっこをする姿が見られはじめました。

 

・きらいで,いやいやしていたはずの高さの低いハードルを持ってきて,

自分でちょっとむずかしいようなコースを設定し,

僕がびっくりするくらい次々に軽々跳び越していくようになり,

「私すごく跳べるから見ててね」と言うようになりました。

 

前回ご紹介したAくんに続き,Bちゃんも行動がかわりましたね。

 

「とぼとぼ来る」や「できない」という

明らかなマイナスサインがいっぱい出ていたBちゃん。

最後には,きらいなハードルをわざわざ持ってきて,

自分でコースを設定するようにまでなりました。

 

 

子どもにとって,未経験や苦手意識があることに直面したとき,

どうしても尻込みしたり,その場からいなくなったりということがあります。

焦って無理強いすると,

ますますマイナスサインが多くなることが考えられますね。

 

親や大人が「ちょっとくらい時間かかってもいいよ」くらいの余裕で接すると,

こんなふうにプラスにかわるのですね。

ちなみにこの春から中学生になるBちゃんですが,陸上部に入るそうです(^^)

 

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村田トオル
大阪青山大学健康科学部子ども教育学科 准教授
・NPO法人日本健康運動指導士会兵庫県支部長
・第26期西宮市スポーツ推進審議委員
・日本体育協会スポーツ医科学専門委員会メンバー
・同志社大学健康体力科学センター嘱託研究員

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