自然の法則を身につける積木遊び|子育てを100%感動にするおもちゃと絵本の選び方vol.2
こんにちは。
愛知県刈谷市にあるおもちゃと絵本の専門店「カルテット」オーナー、そして一般社団法人日本知育玩具協会で代表理事を務めています、藤田篤と申します。
我が子のおもちゃ・絵本を「何となく」で選んでいませんか?
そのおもちゃ・絵本を与えるべき意味を知れば、子育てはもっと楽しくもっと豊かになるのです。
このコラムでは、子育てを100%感動にするおもちゃと絵本の選び方をお伝えします。
最初は崩すことからスタート。でも実は「積む」という遊びが始まっています。
積木は文字通り、積んでいくことが目的の遊びです。
しかし、実際に0・1歳の赤ちゃんは崩してしまいますよね。
では、積木を与えるのがまだ早かったの?いいえ、決してそうではないんですよ。
崩す行為をしていながら、実は積むという遊びが始まっているのだと考えてください。
積木を崩すのは、発達心理学で言うところの「探索行動」なのです。
これは文字通り、確かめる行動を指す言葉。
赤ちゃんは、触って舐めて、五感を総動員して外界との関係を作っていくのです。
そして大人の反応を確かめ、大人が積木を積む姿をイメージとして心に蓄えて、いずれ自分が積木で遊ぶ準備を進めているのです。
なので、崩してばかり…と悩まないで、ママやパパがそばで何度でも積んであげてくださいね。
どの子どもも持っている「できるようになりたい」という気持ち。
積むことをはじめた赤ちゃんにぴったりの積木を紹介しましょう。
1957年にスイスで生まれ、今も世界中で長く愛されている「ネフスピール」という積木があります。
ネフスピールは、簡単な積み方があり、45度ずらすとしっかり組み合わさり簡単には崩れません(下の画像右)。
2・3ピースしか詰めない子どもが、この積み方を発見することで5個10個と積めるようになるわけです。
また、4本の脚をぴたりとあわせなくては乗らない、難易度の高い積み方もできます(下の画像左)。
子どもは不思議なもので、ほとんどの子どもたちはある時期になると、この4本脚をぴったりさせて立たせないと気が済まなくなるのです。
そうするとこの一見難しそうな形であっても「積みたいな」と思い、挑戦するようになるのです。
子どもたちは「できるようになりたい」という気持ちを持っています。
その気持ちを自ら満足させるために、難しいことに挑戦するのです。
そしてその姿はとても素晴らしいのです。
よい積木とは? 成長した年齢に応じて、想像力を支える道具として使いこなせるようになっていくもの
ネフスピールと同じネフ社の「リグノ」もお薦めの積木です。
赤、青、黄、緑の4色それぞれの立方体の中に円柱が入った形が特徴的。
6カ月ごろから赤ちゃんに手渡したい積木です。
円柱と立方体のセットを手渡すと、教えるでもないのに入れたり出したりを始めます。
出し入れすることで親しみ、それから、積んだり崩したりを始めるのです。
よい積木は、赤ちゃんにとって良いだけではありません。
成長した年齢に応じて、想像力を支える道具として使いこなせるようになっていくのです。
ネフスピールやリグノは、0歳で出会いつつも2・3・4・5年…とずっと遊んでいくと、どんどん難しい遊び方や違う遊び方に子どもたちが気づいていくわけです。
そのスタートが早ければ早いほど、子どもたちの遊びが上達していくのです。
積木の与え方…遊びが成長したら、正しく追加することを忘れないで
最初は崩していた積木を積めるようになったら、少しずつ増やしてあげましょう。
そしてさらに積めるようになったら、また少しずつ出してあげます。
積木が入っていた箱から遊ぶ量だけをカゴ等に入れて与えてあげるといいですね。
目安は、3歳で100ピースです。
白木の積木でお薦めをひとつ挙げておきましょう。スイス・アルビスブラン社の積木です。
無垢のブナとカエデの美しいコントラストが特徴的です。
大・中・小とセットがありますが、家庭で遊ぶのに私のお薦めは中セット(49ピース)。
最初はこのセットを選び、お子さんの成長にあわせて買い足していってあげてはいかがでしょうか。
積木の量は構想力の広がり、集中力の増加のあらわれです。
小学校1年生の勉強を終えたら2年生の教科書を買い求めますよね。
積木はおもちゃであっても、教科書と同じ役割をします。
遊びが成長したら、正しく追加することが必要なのです。
多くの家庭で、真剣に遊ぶだけのおもちゃが足りないがゆえに、つまらないと感じている子どもたちが多くいます。
子どもたちは、遊びを通して人生を学んでいると言えるのです。
積み木の色はついている方がいい?それともついていない方がいい?
最後にもう一つ。
よく色のついたものと白木のもの、どちらがいいのか迷う…というお悩みを頂きます。
私のお薦めは、乳児期に初めての積木に出会わせてあげる場合は、色つきのものを与えてあげること。
色つきの方が赤ちゃんは関心を持って手を延ばしてくれやすいのです。
そして、2・3歳位から白木のものに移行していくとよいですね。
もし、2・3歳で初めて積木遊びを始めるのなら、色つき・白木のどちらを与えてあげてもよいでしょう。
ぜひ、今回ご紹介したような品質の良い積木を選び、お子さんの育ちを支えてあげてください。
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藤田 篤(ふじた あつし)
「おもちゃと絵本のカルテット」オーナー
「一般社団法人 日本知育玩具協会」代表理事
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