しゃべりすぎる母親|生き抜く力を持った子どもを育てるvol.13
今は学習塾を経営し、かつては学校の先生を経験していましたので、かなりたくさんの保護者面談を経験することになります。
何年間もこの仕事をしていると、保護者面談の1時間ほどで親子のかかわりが詳細までよく見えてしまいます。
親子のかかわりが分かった上で、私の指導のスタンスを決めるので、もちろん仕事上でもとても役に立っています。
まず、ここ数年よく目立ってきたのが、よく喋るママです。
子どもに「何が得意なの?」と聞いて「算数」って答えても、ママが横から「計算が速くできるんですけど、ちょっとひねられた問題ができなくて考える力がないというか・・」と、ママがたくさん喋る 。
ずっと言いたかったのです!と言わんばかりに、どんどんしゃべり始めます。
そんな時、私は「いやいや、お母さんには後で伺いますから」と思っています。
また、こんなママも多いです。
「何が得意なの?」と尋ねて、子どもがお母さんをチラッと見る。
見られたママがそれを見て見ぬふり。
まるで『あなたが答えるのよ』と言わんばかり。
それを見た子どもが『そんなあ』という顔で答えに困るシーン。
普段はきっとママがいろいろと細かくアドバイスをしているのでしょう。
子どもが自動的にママに答えを求めている証です。
子どもは、嘘をつきません。小学5年生くらいまでは。
親は外だけいい格好をしますが、子どもとのかかわりを見れば、それが作られたものか本物かはすぐにわかるのです。
普段からしゃべりすぎて、子どもにいろいろと伝えすぎて教えすぎて、子どもが親に正解を求める姿勢が作られると、子どもは受け身になってしまいます。
そんなときにママが「この子には、自分で考える子に育って欲しい!」と言っているのを聞くと、子どもは「えぇー!!お母さんいつも、どうせ自分で考えても、ダメって言うじゃないか」と心のどこかで思っていたりします。
本当に自分で考えてほしいと思っているのなら、まずは子どもに考えさせなければいけません。
その後に、親としての意見を言えばいいわけですが、なかなか忙しい子育ての中では、待てないのでしょうね。
私も一児の父として、待てないなあと感じることはありますので気持ちは分かります。
でも待ってくださいね。
毎日毎日、子どもと接していると、じっくり待てずに「はやく〜〜してしまいなさい」や「〜〜なときは、〜〜するの」などと言ってしまいがちですが、「どう思う?」というそのひとことを言ってからでも遅くないと思いますよ。
毎日の繰り返しが習慣を作っていきますので。
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畠中秀明
◆個別指導 スクールIE・黄檗校(京都府宇治市)塾長