親心は必ずしも子どもの幸せを作り出すとは限らない|生き抜く力を持った子どもを育てるvol.11

2015.05.18

親は、子どもの幸せを願っています。

自分たちに出来るだけのことをしてやりたいと思うのは

親心からくる純粋な気持ちではないでしょうか。

しかしながら、私は

「親心は必ずしも子どもの幸せを作り出すとは限らない」

と考えています。

 

 

大人になると、失敗したくない、失敗して

周りからどのように思われるか不安という気持ちから、

思い切ってチャレンジできなかったり

頑張れなかったりすることがあります。

 

子どもの頃は、あんなにはしゃいで

深く考えることなく思い切って生きていたのに、

私たちはいつの間にか、どこか自分のできる範囲の中で

チャレンジしているだけかもしれません。

 

家族ができると守るものができるので、

さらにリスク覚悟でチャレンジすることも減ります。

だからこそ、年を取ってもチャレンジしている人を見ると、

中年の星とか言って注目するし、そこに尊敬さえ生まれます。

 

私たち大人はそれでもいいかもしれませんが、

子どものうちは不安とか関係なく、

やりたいと思ったことをさせた方が良いに決まっています。

大人の立場からすると「そんなことをしたら失敗しちゃうよ」

「そんなことしたら周りからどう思われるか考えなさい」

などと大人になったらわかることを先に言ってしまい、

子どものやる気を削いでいることがたくさんあるのです。

 

親心とは、子どもに危険な思いをさせたくない、

悲しい思いをさせたくない、そもそも

悲しそうな子どもの様子を見たくありませんから、

悲しい結果になりそうな感じがする場合、

事前に止めに入ってしまう気持ちもわからなくもありません。

 

ですが、私たちは親であって親でしかない。

子どもは子どもの人生があり、子どもも一人の人格者なのです。

たとえ親であっても彼らの人生を決めることはできないのです。

 

子どもが「将来、オリンピック選手になりたい」と言っても、

公務員になることを勧める親がいます。

公務員も悪くありません。

しかし、それでオリンピック選手になってみたい

という我が子の思いを、そのチャレンジを、

あなたはトコトン応援できるでしょうか。

「目指すだけ目指すならいいんじゃないの?」

という考えで子どもたちと接しても、それはすぐに伝わります。

 

「お母さんは僕を(私を)心から応援してくれていない、

あっ‼ 私には無理なのかな」

と子どもが思ってしまうこともあるのです。

将来、公務員でも何でもいいのですが、

チャレンジする姿勢を子どもたちに持ち続けることも、

生き抜く力を育むことになります。

 

小さい頃から、もちろん中学生でも、

「将来の夢は公務員になること、それは安定だから」

という発言を容認してはいけません。

安定が幸せだとは限りません。

親心としては、安定安心という思いもありますが、

本当にそれが我が子の幸せにつながるのでしょうか。

私たち親の、親心でしかないのであれば、

それはちょっと横に置いて

子どもの声に耳を傾けてほしいと思っています。

 

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畠中秀明

◆個別指導 スクールIE・黄檗校(京都府宇治市)塾長

http://yarukinomori.com/

◆スマイルママラジオ『Bright★Delight』にレギュラー出演中

「カリスマ塾長による「生き抜く力を持った子どもの育て方」コーナーへの

お悩み相談、質問、感想等はinfo@smilemama.jpまで。

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