子どもが親の言うことをきかない時、どうする?|生き抜く力を持った子どもを育てるvol.7
今回は、子どもが親のいうことを聞かない時にどうするとよいのか?
という事をお伝えします。
「子どもの人格を尊重しつつ子どもに関わる」とは、
どういうことなのか?というヒントにもつながるお話です!
言うことをきかない子に対して、
鬼が「言うことをきかないと食べちゃうぞ」と脅すスマホのアプリがあります。
小さい子にはこれがけっこう効くらしく、大泣きする姿を見たりします。
言うことをきかせるためにはなかなかおもしろいアイデアですよね。
お風呂に入りなさいって言ってもきかないとか、宿題やりなさいと言ってもきかないとか、言うことをきかないことに対して悩むママが多いのではないかと思います。
中学生や高校生にもなると、「まあ少しずつ自主性も大事に」と考える方も多くなりますが、乳幼児のうちはそうもいきません。
ご飯を食べさせようとしても嫌がったり、好きなものしか食べようとしなかったり、それをなんでも食べてもらいたいと思うばかりに言うことをきかせて食べさせようとして、余計にうまくいかないってこともしばしばですよね。
どうしたらもう少し言うことを聞いてくれるかといった感じの悩みをよく聞きますが、そもそも、1歳や3歳の子どもたちが親の言うことをきかなければいけない理由って何があるのでしょうか。
だって、1歳ですよ?3歳ですよ?
言うことをきくことができるのならそれはもう天才です。
我慢できないのが幼児、気持ちをコントロールできないのも幼児。
好きなものはとことん好きだし、嫌いなものは嫌い。
知らないことはできない。
それが3~4歳くらいになって初めて、ようやく状況に応じて今やるべきことをやるということがわかるように、できるようになってきます。
しかもそれも個人差ありますけどね。
身の安全を守らなければならないことだけは、強い口調で是が非でも言うことをきかせますが、それ以外って少しずつ教えていけばいいと思っています。
1歳には1歳なりの、3歳には3歳なりの人格があるからです。
そうすると、「じゃあ見守るだけでいいんですか」という話になるのですが、それも違います。
たとえば、早く寝かせたくてお風呂に入って欲しいとき、そういうときに
「お風呂入りなさい」と言って聞かなければ
「お風呂から上がったら好きなものをあげるから」
と行動の先に良いことが待っていると伝えて動かそうとします。
これ、うまくいくときとうまくいかないときってありますよね。
お風呂に入ることを嫌がったり、お母さんが指示することを嫌がったりするときって、子どもなりの理由があります。
今やっている遊びが面白くてやめたくないときだったり、もっとテレビを見ていたかったり。
大人でも、テレビがおもしろいときに「お風呂に入ってよ」と言われても「もう少し待って」って思うわけですから、それは1歳でも同じなんです。
これが1歳にも3歳にも人格はあるということ。
その人格は尊重しなければいけないのに、1歳や3歳相手だと力づくでも勝てるので、私たちはついつい言うことをきかせようとしてしまうのです。
物心がついてくると、ママやパパを怒らせないようにという考えが働くので、怒り出すと子どもは言うことをききますが、1歳や3歳では、その考えが浮かぶわけがありませんよね。さあ、どうしたらいいでしょう?笑
まずは、言うことをきかせることをあきらめること。
言うことをきかせるのではなく、言ってみる。
言ってだめなら、してほしいことを率先してやる。
してほしいことは、子どもがしてほしいことと親がしてほしいことをやるんです。
たとえば、子どもがおもちゃで遊びたくてお風呂に入ろうとしていないなら、子どもがしたいことはおもちゃで遊ぶこと。
それを一緒に、満足するまでやればいいんです。
そして、満足したかを確認するかのように「そろそろお風呂入る?」と尋ねます。満足したら入ってくれることってありますよ。
ただ、この場合は時間が必要です。どれだけの時間で満足するかわかりませんからね。
もう一つの場合は、親がしてほしいことを親が先にしてしまう。
お風呂に入って欲しかったら親が先に入ってしまえばいいんです。
子どもは一人ぼっちになりたくないので、ママがいないとわかれば遊びをやめて追いかけてくるかもしれません。
それでも一人で黙々と遊んでいたら、それはそれで「ウチの子、集中力がある!」と褒めてやってください。
1歳や3歳の頃は、なかなか長時間一つのことに集中できない子が多いです。
短時間集中しても、定期的に親が近くにいることを確認して安心を確認しながら遊ぶからです。
これが4歳をすぎ、物心がついた頃もしくはつきそうな頃になっても、ずっとお風呂に入らなかったら怒って構いません。
入った方がいいことをわかってやっているからです。
こんなふうに、子どもが満足するまで一緒に付き合ってから言うことを聞いてもらうか、先にやってしまって子どもが追いかけてくるのを待つかを行ってみてください。
大切なのは、そのどちらも言うことをきかせようとはしていないということです。
子どもにしてほしいことは親の願望です。
子どもは親の願望通りには絶対に生きようとしない。
これが、血の繋がっている子どもでも、一人の人格を持っているという証なのです!
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畠中秀明
◆個別指導 スクールIE・黄檗校(京都府宇治市)塾長
◆スマイルママラジオ『Bright★Delight』にレギュラー出演中
「カリスマ塾長による「生き抜く力を持った子どもの育て方」コーナーへの
お悩み相談、質問、感想等はinfo@smilemama.jpまで。