虫歯と食事の話|子どもの育つ力を伸ばす口腔育成vol.14
今日は虫歯と食事についてのお話をしていきたいと思います。
甘いものばかりを食べていると虫歯になる。
歯を磨かないと虫歯になるよ。
そう聞かされてきませんでしたか?
私も小さい頃は甘いものが大好きな虫歯菌が歯を壊していると思いました。
しかし、虫歯の成り立ちはとても化学的で、その反応を起こさせなければ虫歯にはならないという理屈になります。
少し難しい話になりますが、口の中は唾液の緩衝作用という能力により中性に保つ力があります。
ところが、食べ物を食べると口の中の細菌(虫歯菌と呼ばれているもの)がその中の糖を分解して酸を作り出し口腔内は酸性になります。
この酸が歯を溶かしてしまいます。
口の中が酸性になったままだと、歯は溶かされ続けて虫歯になってしまうので、唾液は酸性を和らげて中性に戻そうとします。
私たちはそうやって虫歯になるのを防ぐ能力を持っています。
しかし、虫歯になってしまうのはなぜでしょうか?
それは唾液の能力を上回る速度で酸が作られ続けてしまう場合です。
例えば、戻る隙を与えない程の連続攻撃を受けた場合です。
一度酸性になった口の中を中性に戻すには40分くらいかかります。
間食を頻繁にしたり、長時間ダラダラ食べていると、中性に戻る暇を与えず常に酸性の状態になるため歯は溶かされ続けます。
もう一つは、食べカスです。
食べカスが残っているとその場所では常に酸が出続けてしまいます。
歯と歯の間や、奥歯は食べ物が残りやすいうえに、歯ブラシの毛先が届きにくくなります。
虫歯になりやすいのはそれが原因だったのですね。
つまり、私たちは間食を控えて食べカスを残さなければ自分の力で虫歯にならないように歯を守る力を備えています。
食生活や歯磨きの仕方や時間を少し気にしてみたらいかがでしょうか?
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歯科医 小野 大地