【開催レポ】第3回子育て防災college『生き抜くためのサバイバル講座』講師:国際災害レスキューナース 辻直美先生

2017.01.15

こんにちは。スマイルママ代表の釜井です。
子育て防災プロジェクトさんとともに企画・運営している「子育て防災college」の3回目となる防災講座を1月15日(日)に大阪市のドーンセンターにて開催しました。概要はこちら

《過去の開催》
第1回『子育て防災college』開催レポ2016.9.11
第2回『子育て防災college』開催レポ2016.11.27
「子育て防災college」とは

講師は、国際災害レスキューナースとして様々な災害現場の第一線に派遣され、活躍されている辻直美先生

まぁるい抱っこでとても有名な先生ですが、今回は『生き抜くためのサバイバル講座』と題し、災害発生時にいち早く災害現場に派遣され、レスキュー活動を行ってきた辻先生だからこその視点、お話、そしてママやパパ達に伝えたい想いを2時間に渡ってお話いただきました。

辻先生は、DMAT(災害派遣医療チームDisaster Medical Assistance Team ディーマット)に所属されており、大規模災害などが発生した際に自衛隊のヘリなどで現地入りしレスキュー活動をされています。

DMATとは(HPより)
医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。

東日本大震災をはじめ、御嶽山噴火災害、広島土砂災害、熊本地震など、被災地での救命活動や被災者の心のケアをされてきた、まさに災害の第一線の現場を経験されてきた方です。

講座の中では、先生が実際に現場で撮影した写真を見ながら、実際の現場の様子だけでなく、人々の気持ち、音やにおいに至るまで、私たちがTVなどのメディアからは得られない災害現場や避難所の「リアル」を伝えていただきました。

衝撃的な写真、衝撃的なお話もありました。涙されている方もいらっしゃいました。

でもこれは全て実際に起こった「現実」であり、「いつどこで誰に起こってもおかしくないこと」であること。

だからこそ、日頃の準備をしっかりしておく必要があると深く心に刺さりました。

まずは知識をつける。学ぶことや知ることがとても大事であり、そこからまずはスタート。この講座もその一つです。

そしてその知識を使いこなすための具体的なスキルを身につけること。

「知っている」ことと、「それができる」ことは違うということを知り、「できる」ようにすること。

その大切さを学びました。

 

講座の中ではいくつかワークをしました。

まずは、地震が起こった時に身を守る「ダンゴムシ」のポーズを。

実は簡単なように見えてこれはとても難しいのです。「あ!地震!」という時にとっさにこのポーズができるか…それはやはり日頃から練習しておかなければ体は瞬時に動きません。

子どもも一緒です。まずは正しいダンゴムシのポーズを学び、練習を繰り返してこそいざという時に活かせるはず。

新聞を使った「頭を守る方法」も実践しました。これにもコツがあります。そのコツを知っているか知っていないかが運命の分かれ道。

正しい持ち方を覚えておけば、新聞や雑誌が頭を守る役目をしっかりと果たしてくれます。身近なもので命を守る術を知ること。これも大事!

災害時のトイレのお話も。

バケツを使った簡易トイレの作り方もレクチャーしていただきました。災害時は極力ゴミを出さないこと。そのためにできる工夫があります。

簡易おむつの作り方では、たくさんのベビーと接してきた辻先生だからこそのひと工夫も教えていただきました。

シーチキン缶詰を使った「ランタン」作り。先生独自の作り方、工夫を教えていただきました。

参加者の皆さんも前のめりです!

今回の講座では、時間の関係で火が消えるまで放置することはできなかったのですが、オイルがなくなるまでランタンとして使った後は、そのシーチキンを食べることができるそうです。

そして火を灯している間は、なんとも言えない香ばしくおいしい香りもして、一石二鳥、三鳥にもなるシーチキン缶ランタン。

いざという時にさくさくっと作れるように、子どもたちも一緒に平時に何度も練習しておきたいと思います。

 

そして、新聞スリッパ作りでは、実際に新聞スリッパを履いた足と、そうでない足とで卵の殻をがれきに見立ててみなさんに歩いてみてもらいました。

ただの新聞スリッパと侮るなかれ。ガラスや食器が割れて散乱したところを裸足で歩くのは危険です。そんな時にこのスリッパがあればとても安心。底の部分を厚くすると外も歩けてしまうくらいの強度。

また、新聞紙は保温効果に優れているので、グシャグシャにして手首・足首など「首」のつくところに巻きつけるととても暖かいそう。

これも知っているのとそうじゃないのとでは大きな差が生まれます。今日のように雪が降るくらい寒い日は、まさに生死を分けることになるかもしれません。

知っておくこと、そしてそれを使いこなせるようになっておくことの大切さをここでもまた実感しました。

そして、子どもを持つ私たちママ・パパにはとても役立つ、新聞紙を使ったストレス発散方法や遊び方などの紹介しもしていただきました。

あっという間の2時間。いつも3時間で開催されている講座を2時間にギュギュッとまとめていただいたので、参加者のみなさんの中には「もっとじっくり聴きたかった」という方もたくさんいらっしゃいました。

辻先生の講座の第2弾を開催できるよう準備を進めていきますので、今日ご参加くださった方も残念ながら参加できなかった方も、ぜひ次回の講座でお会いできることを楽しみにしております。

終了後は、参加者の皆さんにアルファフーズ株式会社さんよりご提供いただいた「美味しい防災食」をプレゼントしました。

今回は「ハンバーグ」「きんぴらごぼう」「さば味噌煮」「肉じゃが」「筑前煮」「さつまいものレモン煮」をご用意いただきましたよ!

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防災食ファミリーセットも販売されていますので、ぜひ一度サイトをご覧ください。
アルファフーズ「美味しい防災食」

ちなみに一番人気は「筑前煮」でした!

講座終了後に、辻直美先生と子育て防災college事務局みんなと一緒に。

実は私(左から2番目)以外はみんな、東日本大震災を東北で経験しているママさんたちなんです。

「一緒にこの企画をしよう!」と子育て防災college代表の小畑さん(右から2番目)と話しをしてからもう3年。

こうやって形となって、講師の方々や協賛企業の方々に支えられて講座が続けられていることを心から嬉しく思います。

参加してくださるみなさんにも感謝の気持ちでいっぱいです。

 

今日の講座の中で辻先生もおっしゃっていましたが、学んだことをぜひどんどん発信してお友達に広めていってください。

みなさんが発信することで、一人でも多くのママ・パパに情報が届き、防災について考えてもらうきっかけになったら本当に嬉しいです。

辻先生の「生き抜くためのサバイバル講座」の存在も、もっとたくさんの方に知っていただきたいです!

 

まだまだ一部のママ・パパにしか「防災」を真剣に考え備える必要性が伝わっていないように思います。

もっともっと「自分のこと」として捉え、学び、実践し、本当の意味で備えることができるママ・パパが増えますように。

いつか絶対に来る「その時」、子どもや家族を守れるのは私たちです。自分と家族を守る!そして「生き抜く」という覚悟を。

そして、私たちが学んだこと、得た知識やスキルを子どもたちにしっかりと伝えていき、「自分で自分を守れる子」に育てていきましょう!

これからも子育て防災collegeはそのきっかけ作りとなる講座の開催をしていきます。ぜひ引き続き応援お願いいたします!

 

参加者の方の感想(一部)

Q1.ご参加いただいたきっかけは?
Q2.今日の講座の感想をお願いします!

***さん 吹田市 6歳、2歳のお子さんのママ
・辻先生のスリングにとてもお世話になっていて、先生のFacebookなどで防災のセミナーを拝見するたびに参加したいと思っていたところ、大阪で開催されるということで、すぐに参加を決めました。

・この度は大変ためになる講座をありがとうございました。早速実践してみたいものばかりで、家に帰ってすぐに家族と一緒に防災に対しての話をして、すぐに対策をしたいです。また、防災ナイトや防災DAYも取り入れて、いざ災害が起こった時に自分を家族を守れるよう、生き抜けるよう日々練習していきます。本当にありがとうございました。

かよさん 寝屋川市 1歳6ヶ月のお子さんのママ
・前回に引き続き、今回も参加させてもらいました。防災については何も分からないことだらけ。今回は辻先生の講座とのことなので、辻先生が体験、経験されたお話をしっかり聞いて、今後何をどの王に準備していけばいいのか知りたいと思います。

・辻先生のお話、本当に分かりやすかったです。実際のいろいろな写真、また、すぐに作った新聞紙スリッパ、初めて知ることも多々ありました。これから家に帰ってすぐにでも用意していきたいです。アプリもすぐに取り入れたいと思います。家族で会議します。ありがとうございました。

ももさん 1歳4ヶ月のお子さんのママ
・防災について正しい知識を持って備えなければならないと感じながら準備ができていなかったので、このイベントを知り、すぐに参加を決めました。

・防災の意識の甘さ、このままでは生き残れないと痛感しました。役に立つ内容ばかりで、もっと時間が欲しいと思いました。とても参考になりました。ありがとうございました。

***さん 滋賀県湖南市
・辻直美先生のお話を一度聞いてみたくて、本日やっと来ることができました。また、防災についてなかなか勉強をする機会もなかったのでいい機会だと思い参加しました。

・今まで目にすることのなかった災害現場の写真を見ることができて、本当にショックを受けました。わかっているつもりでもわかっていなかったこと、できているつもりでできていなかったことも目の当たりにしました。家に帰って、まず見直すこと、実践すること、再度確認します。

ママさん 大阪市 11歳、8歳、5歳、2歳のお子さんのママ
・ずっと辻先生のサバイバル講座を受講したいと思っていたので、今回スケジュールが合って、しかも小学生も一緒にお話を聞けるとのことでいい機会に恵まれたと思っています。ありがとうございます。

・子供と一緒にお話を聞けて本当に良かったです。今すぐアクション、すぐやります。いつかこの身に降りかかる災害に備えたいと思います。

makiさん 生駒市 3歳7ヶ月のお子さんのママ
阪神大震災を経験して、子供ができてから特に防災が気になるようになりました。トリアージの訓練を私自身が受けたことがありますが、その発祥の方と分かり嬉しく思いました。

防災について、大体の準備、ケガへの対応などしてきている「つもり」でしたが、さすがレスキューナース!頭の守り方(正しくは延髄)など、具体的に学べて勉強になりました。またブログ、FBレポします!

Mママさん 大阪市 3歳、1歳のお子さんのママ
・辻先生のサバイバル講座をぜひ受けたいとチャンスを待っていました!大阪で(保育つき)で受講できて本当に良かったです。

・知っているつもり…をもうやめて、今日から見直しの行動をします。辻先生は抱っこも子育ても生き延びるための師であります。どんな現実が待っているのか知り、備えることを続けたいです。

Booさん 堺市 0歳10ヶ月のお子さんのママ
・職場で防災等のことに取り組んでいるのですが、自分自身何も知識がなかったので、受けようと思いました。また、友達から「家族で取り組めていいよ」と勧めてもらったので参加しました。

・今、自分自身に危機感のなさ、すぐに対応できない自分に気づけたので、今度先生に「避難経路は?」と聞かれてすぐに答えられるように、普段から意識したりシュミレーションしたりしようと思います。

ゆみさん 明石市 1歳1ヶ月のお子さんのママ
・子供を抱えて被災したと考えた時、本当に必要最小限の物しか持てないがそれは何なのか?一般的な防災グッズと言われるものでいいのか知りたいと思いました。
また、災害レスキューナースとして活躍されている辻先生の実体験からされるお話で災害に対する心得も知りたいと思いました。

・まずやるべきことが明確になり、とても分かりやすかったです。実践しないとできないことばかりだと思います。家に帰ってから家族と話をしながら情報共有、実践していきたいと思います。

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次回開催のお知らせ

2017年3月12日(日)
第4回子育て防災college
『子育て防災講座
〜東日本大震災の経験から学ぶ』
子育て防災プロジェクト代表
小畑祥子氏

東日本大震災での小さな子どもとの被災体験をお話しします。
被災時の様子、被災後の生活で困ったこと、実際に役立ったグッズについての講座ののち、当時東北に住んでいたママたちとみなさんと一緒に防災クロスロードゲームを行う予定です。

お申し込み受付開始しました!
▼詳細・お申し込みはこちらから
https://smilemama.jp/?p=11715

 

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◆企画・運営
子育て防災プロジェクトスマイルママ防災部

◆一時保育
関西こども文化協会

◆協賛
アイワホーム株式会社
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◆商品協賛
アルファフーズ株式会社

◆協力
防災・支援団体「彩り」

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