どうすれば英語が話せるようになる?|編集者ママのインターナショナル子育てin香港vol.5
「編集者ママのインターナショナル子育てin香港」を担当する、蓮見紗穂です。夫の転職に伴い、2015年2月から一家で香港に住んでいます。
このコラムでは、香港で子育てする中で発見した日本との違いや驚いたことなど、皆さんが読んで「へ~! そうなんだ」「なるほど!」と思えるようなことを書いていきたいと思っています。
◆過去記事はこちら◆
vol.1「仕事好きなわたしがなぜ香港に?」
vol.2「日本と香港、子育てしやすいのは?」
vol.3「コミュニケーションで大事なことって?」
vol.4「子どもの英語教育、何から始める?」
今回は前回のコラムに引き続き、子どもの英語教育について。香港に来てから、子どもたちがどうやって英語を学んでいるかについてお伝えしていこうと思います。
まずはプレイグループに参加
香港には保育園がないので、未就学児は幼稚園に通うことになります。
日本の幼稚園は3歳(4歳になる年)からですが、香港では2歳から通えるところが多いです。
そして、さらに小さい1歳半~2歳前後の子は、週に1回から数回、親子で手遊びや工作を楽しむプレイグループに参加するというのも、こちらではポピュラーです。
香港に来た当時、わが家の子どもたちは4歳(娘)と2歳(息子)。
ふたりとも幼稚園に入れる年齢だったので、インターナショナルの幼稚園に入れるつもりでした。
しかし、候補にしていた園が定員いっぱいで入れず、来て早々待機児童になってしまったのです。
2カ月ほどかけて検討した結果、数カ月後に本格始動するという新しいインターナショナル幼稚園のプレイグループに参加することに決めました。
なぜ幼稚園ではなく、プレイグループにしたかというと、その幼稚園が気に入ったものの、まだ幼稚園としてスタートしておらず、プレイグループしかなかった、しかも年齢が高くても受け入れてくれた、というのが大きな理由です。
実際に参加しているメンバーは、香港人の親子もいれば、中国人、それから日本人の親子も何組かいました。
欧米系の親子もいましたが、数としては英語が母国語ではない人の方が多数。子どもの年齢は、1歳後半から3歳前後が中心でした。
「言葉を話し始めたばかりの、しかも母国語が英語ではない小さい子どもたちに、どうやって英語を教えるんだろう?」 と、わたし自身興味津々で参加しました。
「英語の歌の動画」で興味を引く
まず、子どもたちをぐっと引きつけたのは、英語の歌でした。
しかも、ただ歌を「耳」で聞くだけでなく、かわいいイラストの動画を「目」でみながら、一緒に歌ったり踊ったりするのです。
どの歌も覚えやすくて絵もかわいらしく、子どもたちの食いつきっぷりもすごい!
「どうしてこんなに子どもたちが食いつくんだろう?」と考えていたら、日本で毎朝みていた「おかあさんといっしょ」を思い出しました。
歌だけでなく、歌と一緒に流れるイラストやお兄さんお姉さんのダンスも大好きだったよなぁと。
今思うと、子どもたちはあの番組をみながら日本語を覚えていった部分もあるのかもしれません。
それから、先生のセレクトする歌をみていたら、動物が出てくる歌が多いことにも気づきました。子どもたちはみんな動物が大好きですよね。
実際にプレイグループでよく歌っていた「動物が出てくる歌」をいくつかご紹介します。
子どもと一緒に、動物の身体の動きや鳴き声を真似しながら歌うと楽しいですよ!
「Let’s Go To The Zoo」
「Walking In The Jungle」
「The Animal On The Farm」
「Yes, I Can!」
いずれもYoutubeの「Super Simple Songs」というチャンネルの動画です。
他にも、身体の部位の名前を覚える歌(One Little Finger)や、色について学べる歌(I See Something Blue)、「Yucky!」と盛り上がれる歌(Do You Like Broccoli Ice Cream? )など楽しい歌がたくさんあるので、ぜひチェックしてみてください。
前回のコラムもYoutubeの話に終始しましたが、今回も気づけばYoutubeの話に。
つまり、今はYoutubeで英語教育がかなりできてしまうということなんですね!
ちなみに、わが家では「Chromecast」というデバイスとアプリを使って、テレビでYoutubeをみています。
パソコンやスマートフォンよりも大きい画面でみられますし、スマートフォンをリモコン代わりにして簡単に操作できるのでおすすめです。
フォニックスで「音」を学ぶ
突然ですが、フォニックス(Phonics)ってご存知でしょうか?
わたしはなんとなく聞いたことはあるものの、プレイグループに参加するまでよく知りませんでした。
フォニックスとは「英語の綴りと発音を結びつけるルール」で、これを学ぶと綴りを見るだけで正しく発音できるようになるとのこと。
たとえば「cat」を例に挙げると、cは「クッ」、aは「ア」、tは「トゥッ」という音であり、この3つがつながって「キャアトゥッ」になるのだとか。
プレイグループでは、毎週ひとつの音をテーマにして進められました。
たとえば、「g」だったら「グッ」とのどの奥で空気を詰まらせるような音で、「guitar」「goat」「gorilla」などの絵を見せながら、ヤギの鳴き真似をしたり、ゴリラの胸を叩くしぐさを真似したり。
わたし自身、中学校で英語を習い始めたときは、ひたすらアルファベットの読み方と書き方を覚えた記憶があるので、「まず音から入るのか!」と目からウロコでした。
参考までに、最近子どもたちが幼稚園で歌っていて、家でもよく歌っているフォニックスの歌をご紹介します。
それぞれのアルファベットがどういう「音」なのか、歌っているうちに覚えられます。
「Phonics song2」
言葉を覚えていくプロセス
その後、子どもたちはプレイグループと同じ幼稚園に通い始めました。
幼稚園に上がっても、やっていることは大きく変わっていないと思いますが、親元から離れ、先生やお友だちと会話しながら過ごすようになったためか、英語力がぐんと伸びたように感じます。
幼稚園に行くようになって、家でひとり遊びをしながら英語でブツブツ独り言を言っている姿をよく見かけるようになりました。
最初は特に気に留めていなかったのですが、ある日ハッと気づいたのです。
「なるほど、子どもはこうやって言葉を覚えているのか!」と。
英語だけでなく、日本語もこうやって地道に「自主練」しながら身体に染みつかせていったのだ、ということに今更ながら気づいたのです。
そういえばもっと小さい頃、意味があるようなないような日本語をひとりで話しながらよく遊んでいたなぁと。
姉弟ふたりで遊んでいるときも、だいぶ英語が出てくるようになりました。
必ずしも正しい文法で話しているわけではないのですが、なんとなくお互いが言っていることがわかるようで、楽しそうにしています。
おそらく「自主練」の次のステップが、この「姉弟の会話」なのでしょうね。
とにかく日々英語を口にすることで、着々と英語力を身につけていっているのだと思います。
子どもたちが英語を習得していく様子を見ていると、どうやって日本語を習得していったのかも同時に見えてくるようで、なかなか興味深いです。
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◆蓮見紗穂(はすみ さほ)
埼玉県出身。
2010年生まれの娘と2012年生まれの息子の母。東京の出版社で編集者として勤務後、夫の転職に伴い、2015年2月から香港在住。現在は、2児のハハ兼フリーランスの編集者として地道に活動中。
https://www.facebook.com/saho.naito.94